鍼灸関連

【鍼の治療時間】急性的な痛みは何分置鍼したら効果があるの?

medebilabo00
ルー博士
ルー博士

ねえねえケンちゃん!
普段の臨床の時に何分間置鍼したらより効果が高いか考えた事ある?

職場に「置鍼は10分!パルスは15分で上げろ!」って言われるからそうしてたけど、実際にどのくらいの時間が一番効果的か気になりながらも調べれてなかったなぁ

ルー博士
ルー博士

意外と教科書とかにも書いてなかったりする事だし知らない人も多いんじゃないかな?
今日はこんな論文を紹介するよ!!

異なる置鍼時間における鍼治療による
急性痛の臨床的効果に関する観察

研究の背景と目的

急性腰痛(急性腰扭傷/ギックリ腰)患者に対する「動気針療法(鍼を刺した状態で体を動かす手法)」の臨床効果を観察し、置鍼時間(10分、20分、30分)の違いが痛み・腰部可動域・腰部機能障害の改善に与える影響を比較・検証すること。

対象と方法

対象

急性腰痛患者 160名(4群にランダム割り付け)
・観察1群(10分置鍼):40名
・観察2群(20分置鍼):40名
・観察3群(30分置鍼):40名
・西薬(内服薬)群:40名

方法

使用穴

左側の「腰痛点(奇穴)」および「三間(陽明大腸経)」

手技・動作

鍼を刺して各設定時間(10分・20分・30分)留めておく間、患者に耐えられる範囲で腰部の自動運動を行わせる

ルー博士
ルー博士

痛い部位に刺すんじゃなくて奇穴の腰痛点や大腸経の三間に刺鍼するって言うのが東洋医学らしくて渋いよね〜★☆

わかる!!(笑)
でも急性腰痛には程度があるものの、自動運動をさせるのってなかなか勇気がいるなぁ…

治療期間

全群ともに5日間実施。

主な結果

西薬郡との比較

すべての鍼群(10分・20分・30分)において、西薬群と比較して痛み(NRS-11)、腰部可動域(ROM)、腰部障害指数(ODI)の改善幅が有意に大きかった。

時間による違い

置鍼時間の比較では、20分群および30分群は、10分群と比較して可動域(ROM)および機能障害(ODI)の改善幅が有意に大きかった。

有効率

・10分群(94.4%)
・20分群(94.7%)
・30分群(97.2%)
・西薬群(79.4%)

いずれの置鍼郡も投薬による西洋郡よりも有効率は高かった。

まとめ

急性腰痛に対する動的鍼療法は、10分・20分・30分のいずれの置鍼時間でも疼痛や腰部可動域を改善させる。
ただし、腰部の機能障害(動きにくさ・重症度)が強い場合は、20分以上の置鍼時間が推奨される。

30分置鍼が一番効果が高くて、それ以上長く置かなくても十分な効果が期待できるんだね!」

ルー博士
ルー博士

そうだね!
何も考えないで30分置鍼するのか、ちゃんと医学的根拠を知った上で30分置鍼するのとでは意味が違うよね!
意味が分からずの時間配分か、意味が分かっての時間配分かの違いだとしたら後者の方が価値が高いし、施術により意味付けができるんじゃないかな?
臨床では時間との勝負のところもあるからバランスが大切だね。

急性期の痛みか慢性期の痛みかでまた違いががあるのかな?
そういうのも今後深掘りしてみたいな!

ルー博士
ルー博士

OK!
そういった論文も探してみるね!

筆者の総括

今回の論文の興味深い点は急性腰痛の鍼治療に関してですが患部ではなく離れた経穴を使用している事が特徴です。
それでも有意差が出たのは興味深い結果です。

しかしなかなか臨床の場でぎっくり腰の患者さんが来た際に腰を見ないのは勇気が入ります。
しかし急性腰痛で安静時痛やバルサルバ兆候が見られる際には炎症の可能性が外せないため、腰部の筋肉をほぐしたり、リリースするのは炎症などの観点から考えてもNGの場合が多いです。
私の場合は、この論文を読んで以降は急性腰痛の患者さんがいらっしゃった際、パイオネックスを腰痛点に付けてできる範囲で股関節の関節可動域を多動的に見て動かし、腰部の電気療法や鍼を行っています。

今回の論文

論文名
Clinical efficacy and time-effect relationship of dynamic qi acupuncture for acute lumbar sprain

日本語タイトル
急性腰痛(急性腰痛症)に対する動的鍼療法の置鍼時間比較

著者
Yan-Lin Zhang, Song Chen, Zhi-Hui Luo, Bei Chen, Ting Zhou, Xiao-Lei Gu, Jia Chen, Kun-Xiu Wang, Zi-Qin Chen, Peng Yan, Bo-Lin Chen, Ling-Ling Tian

掲載誌
Zhongguo Zhen Jiu (Chinese Acupuncture & Moxibustion)

掲載年
2022年12月

※論文内では「動気針療法(鍼を刺した状態で体を動かす手法)」と記載されていますが、当記事では分かりやすく「動的鍼治療(運動併用鍼)」と表現します。

免責事項

本記事は最新の研究論文(医学的文献)に基づいた情報提供を目的としており、特定の治療法や効果を保証するものではありません。特定の症状の診断や治療については、必ず医師や専門の医療機関にご相談ください。

ABOUT ME
Wataru
Wataru
鍼灸師 / 柔道整復師
柔道整復師14年目 / 鍼灸師8年目 / 医学的根拠を基に安全な鍼灸施術や外傷施術を提供するべく日々奮闘中。色々な医学論文を読んでしっかりと勉強していきたい / 趣味:サッカー、DIY
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