急性、亜急性、慢性腰痛に対する非侵襲的治療

ルー博士!ルー博士!!

ケンちゃんどうしたの??

今月に入ってギックリ腰の患者さんがもう4名も来ているよ!
時期的に急に増える事あるよね!
ギックリ腰の施術って、痛くして直ぐは炎症だし、少し時間が経ったら亜急性・慢性となると思うんだけど、各時期でどんな治療がいいんだろう?

鍼灸院・接骨院でできる事で有効な事はしてあげたいもんね!
国際的な診療ガイドラインの基礎にもなっている米国医師会のシステマティックレビュー論文があるよ!
今回はギックリ腰がテーマだから、このガイドラインの中でも特に【急性・亜急性腰痛(発症から12週未満)】に向けた推奨を中心に見ていこう!」
急性、亜急性、慢性腰痛に対する非侵襲的治療
〜米国医師会による臨床診療ガイドライン〜
研究の背景・目的
背景
急性腰痛は一次医療において極めて頻繁に見られる症状ですが、過剰な画像診断や鎮痛薬の早期乱用が世界的な課題となっています。
目的
本研究は、非侵襲的治療(非薬物療法および薬物療法)が成人急性腰痛(4週間未満)および亜急性腰痛(4〜12週間)の疼痛軽減、機能改善、安全性にどの程度寄与するかを包括的に評価し、エビデンスに基づく初期マネジメント方針を確立することを目的として実施されました。
研究方法
Cochrane Library、MEDLINEなどの主要データベースを用い、成人急性・亜急性腰痛に対する非薬物・薬物療法のランダム化比較試験(RCT)を網羅的に検索・分析したシステマティックレビュー。
主な結果
非薬物療法について
温熱療法(表在性温熱)
急性腰痛において、短期的な疼痛緩和および機能改善に対して確実な有効性(中等度のエビデンス)が示されました。
活動維持・患者教育
ベッド上安静を避け、耐えられる範囲で日常生活活動を維持することが回復を促進します。

え!??急性期って絶対安静かと思ったけど意外と【動ける範囲なら日常生活は過ごした方がいい】って事なんだね!
徒手療法(マニピュレーション / モビライゼーション)
不活性対照(偽介入等)と比較して、短期的な機能回復や疼痛改善にわずかながら有意な効果が示されています。
鍼治療やマッサージ
急性期に対する決定的な強いエビデンスは限られるものの、短期的な疼痛改善オプションとして選択肢に含まれます。
薬物療法のエビデンス
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)および筋弛緩薬
プラセボと比較して短期的な疼痛緩和効果が確認されました。
アセトアミノフェン
大規模RCT(PACE試験など)のデータを踏まえ、急性腰痛に対するプラセボ以上の疼痛軽減効果は認められませんでした。
オピオイドや全身性ステロイド
急性腰痛に対する有益な効果は乏しく、副作用リスクが高いため推奨されません。

「ドラッグストアなどで購入できる市販薬にも、イブプロフェンなどの『NSAIDs』や『アセトアミノフェン』といった成分を含む鎮痛薬があるよ。
ただし、持病や体質によって適したお薬が異なるから、選ぶ際は必ず薬剤師さんや登録販売者さんに相談して説明を受けてね!」
まとめ
急性腰痛の治療プロトコルにおいて最も支持されるアプローチは、
「重篤な脊椎疾患(レッドフラッグ)の除外後、安易な画像検査を行わず、まずは非薬物療法から介入する」こと。
具体的には、下記を第一選択とする。
・患者教育(予後は良好であることの説明)
・日常生活の維持指導
・表在温熱や徒手療法
疼痛コントロールが必要な場合にのみNSAIDsなどを短期間併用することが国際的な標準手順となっています。
鍼灸院・接骨院では非薬物療法の中では特に【活動維持・患者教育】により安静にしすぎないで、可能な日常生活動作は行う方がいいことがわかった

ホットパックや鍼治療よりも特に大切なのは「安静にしすぎず日常生活はできる範囲で行う事!」をしっかり伝える事なんだなぁ

意外だよね!
でも論文によっては「TENS実施中または直後の痛みの強さは、薬物療法および非薬物療法と比較して低かった」と記されている物もあるから、せっかく来院してくれた患者さんには痛みの緩和に電気療法も取り入れたりするのは有りなんじゃないかな!
ルー博士の言っている論文↓↓
成人における急性および慢性疼痛に対する経皮的電気神経刺激(TENS)の有効性と安全性
筆者の総括
急性腰痛の患者さんがいらっしゃった時にあまりにも痛がっている様子を見たら何とかしてあげたくなりませんか?
私もこの論文を読むまではこれまでの臨床の経験上からもコルセット着用指導、電気治療、アイシングなどを行っていました。
しかし今回の論文から「安静にしすぎない事」という事がわかり目から鱗です。
この論文を見てから何度も急性腰痛の方がいらっしゃっていますが、日常生活ではできる限りは動く事を指導しています。
我々しんきゅ氏が提供できる鍼治療に関しては
急性期に対する決定的な強いエビデンスは限られるものの、短期的な疼痛改善オプションとして選択肢に含まれる
と、ありました。
禁忌ではないので私はご来院した急性腰痛の患者さんには鍼+パルスによる疼痛抑制は行なっています。
奇穴の「腰痛点」への刺鍼+運動が痛みの改善に有効であったというエビデンスもあるので、施術の最後には「腰痛点」にパイオネックスを貼って終わりにしています。
下記のブログをご参照ください☆★

今回の論文
著者
Amir Qaseem, Timothy J. Wilt, Robert M. McLean, Mary Ann Forciea, et al. (Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians)
掲載誌
Annals of Internal Medicine
掲載年
2017年(Vol. 166, No. 7, pp. 514–530)
免責事項
本記事は最新の研究論文(医学的文献)に基づいた情報提供を目的としており、特定の治療法や効果を保証するものではありません。特定の症状の診断や治療については、必ず医師や専門の医療機関にご相談ください。

